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和敬塾乾寮での半年間を振り返って

十一月をもって中途退塾することになったので、和敬塾に入塾した四月から今までのおおよそ半年間を簡単に振り返ってみたい。

 志望校であった京都大学の受験に失敗して、滑り止めとして受けた学習院大学に進学することになった三月末。京都での一人暮らしに憧れていた私は、四月から東京で寮生活をすることになり、大変落ち込んでいた(和敬塾は、学習院大学に近くからという理由で親に勝手に決められた。それに東京での一人暮らしは何かとお金がかかる)。入塾前の面接で、テキトーなことを言ってわざと落ちようとさえ思ったくらいに、一人暮らしがしたかった(寮生活が特段嫌だったわけではない)。面接当日まで、私は実際に和敬塾に来たことはなかったが、正門から和敬塾に入った瞬間に、一人暮らしへの執着心はすっかり消え、直感的にここなら大学生活を送っていいと思えた。東京とは思えぬほど緑が生い茂り、まるで突然東京ではないどこか別のところにきたように感じられた。自然が好きで、東京のような都会が嫌いな私にとって、和敬塾の光景と雰囲気は、一人暮らしへのこだわりを吹き飛ばすほど印象的であった。

 乾寮に入れたのは偶然であった。面接の際に希望する寮を聞かれたが、和敬塾に入れるならどこでも構わないと言ったら、乾寮になった。今思えばこれはかなり重要な選択であったように思われる。正直他の寮に決まっていたら、新歓期に退塾していたであろう。その点、乾寮も新歓はあったが新入生の人権は守られており、先輩との上下関係もそれほど口うるさくはなかったので助かった。とはいえ、私の考えでは「今の形の新歓」をおこなっていることすら不可思議ことであるのだが。まあそのことについてはここでは控える。とにもかくにも、なにかの巡りあわせで乾寮に入れたのだが、寮内の先輩方・同期の寮生には感謝の気持ちでいっぱいである。寮内の飲み会やBBQ、体育祭など多くの行事にほとんど参加しなかった、特に、体育祭期間中に帰省していた私は、寮に戻ってきたときには村八分になることを覚悟していたが、何事もなかったかのように普通に接してくれたことには、今でも頭の上がらない思いである。身勝手な私に対しても、寛容に振舞ってくれたり、受験勉強をする私を励ましてくれたりなど、乾寮の寮生からは温かい気遣いをたくさん頂いた。

そうなりたくはないが、また受験に失敗したら乾寮に戻ってくるし、合格して京都に行くことになっても、東京に寄る機会があれば乾寮に顔を出すので、そのときはまた温かく迎えてください。

短い間でしたがお世話になりました。 勉強頑張ります

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